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サムスンがGalaxy Note 7の再生品を発売する理由

SamsungのGalaxy NoteシリーズはGalaxy Sシリーズより一回り大きいサイズで、いわゆるファブレットと呼ばれる端末である。
いわゆるメーカーのフラッグシップと呼ばれるクラスのハイスペック端末であり、なかでもNoteはSペンというスタイラスペンの使い勝手が人気を支えている。
 

Fan Editionは回収したNote 7の再生品

昨年8月に発売されたGalaxy Note7は、発売前から各国で人気が高騰しており、幾つかの国では供給不足から発売を遅らせるほどの状況だった。
間違いなく昨年下半期のヒット商品になったはずのモバイル端末だ。
 
しかしバッテリーのトラブルで、本体が発火する問題で、すべての端末を回収する騒ぎとなった。
未発売だった日本でもこの話題は大きく取り上げられたため、記憶にある方も多いのではないだろうか。
 
この回収されたGalaxy Note7 の再生品であるGalaxy Note FE (Fan Edition)が今月韓国で発売された。
FEでは問題となったバッテリーの容量を減らし、内部のキャパシティに僅かに余裕をもたせることで、回避した作りとなっている。
販売台数は限定40万台で追加生産の予定はないという。

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リサイクル率と名誉回復

トラブルを起こした機種をSamsungが再生品として発売するには、様々な事情がある。
 
直接的な理由のひとつにはリサイクルの問題だ。
回収した端末のリサイクルについて、Samsungは環境団体から用途を明らかにするよう抗議を受けていた。
 
スマートフォンの素材には、レアメタルなどの金属が多数含まれていることは日本でもよく知られているだろう。
洋の東西を問わずリサイクルは重要となっているが、新しい機種へリサイクルするよりもよりリサイクル率が高まる。
 
さらにSamsungにとっては、FEにトラブルが起こらなければ、電池の発火問題が解決できたとのデモンストレーションになる。 
 

トラブルにも衰えぬNote 7のファン

別の見方としては、ユーザーの要求もあるだろう。
日本ではあまり人気がないが、グローバル市場ではSamsungのブランドイメージはきわめて高い。
大きな問題となりリコールとなった後も、予想ほどSamsungのイメージは下がらず、スマートフォンの販売台数も回復している。
 
本来なら発火事故を起こした機種ならば敬遠されるのが当然だ。
ただ置いておくだけでもバッテリーが発火する機種など手元においておきたいとおもわないだろう。
 
しかしGalaxy Note 7ではそれでもなおこのスマートフォンを使いたいというユーザーが多く、返却を拒む人々が少なくなかった。
 
Samsungも別のスマートフォンへの移行を促すプログラムを用意したり、使用を制限するようなアップデートで対策をしたが、回収が決まった後も、海外のモバイルニュースのサイトでは、
  • 返却をしたくないがなにか方法はないか
  • この機種ではSペンは使えますか
というコメントが少なくなかった。
(後者は「どうせ使えないからNoteの代わりにはならない」という意味)
Galaxy Note 7は代えの効かないスマートフォンだったのだ。
 
そのために回収がなかなか捗らず、最終的には今年3月に、強制的にOTAアップデートで端末を止めるまでに至った。
今年のはじめですら、北米だけで十万台以上のNote 7が稼働していたという。
 

グローバル市場でも発売に

すでに時期NoteであるGalaxy Note 8が8月あるいは9月に発表発売されるという噂が流れているが、半導体の高騰余波で昨年よりもさらに高額なことは間違いない状況だ。
Noteのユーザーは高額なスマートフォンを購入できる層だとはいえ、それでも10万円を超えるような端末にポンとお金を払える数となると、やはり限られてくる。
再生品はNote 7よりも20%ほど価格が引き下げられていることもあり、今では比較的コストパフォーマンスが高い。
 
結局のところFEがFan Editionの略であるように、メーカーとユーザーの双方にとって利害が一致した形である。
 
今回の再生品も当初の韓国国内のみというニュースが流れた後には、やはり海外でも発売して欲しいという声があがることとなった。
そんなこともあってか、当初は韓国のみの発売だったが、結局、グローバルでも発売されるのも事実上決定したと報じられている。 

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今後Noteシリーズの売上への影響

両者にとってよい関係をもたらすであろうGalaxy Note FEだが、懸念もある。
Galaxy Note FEが売れれば売れるほど、次期Noteの売上に影響が出るのは必然だ。
 
リサイクル品のGalaxy Note FEを購入するユーザーならば、Galaxy Note 8、あるいは、順当に行けば来年のモデルであろうGalaxy Note 9に買い換える可能性は高い。
 
とはいえGalaxy Note 8の初動には間違いなく影響をあたえるのではないかと予想される。
 
なにしろGalaxy Note FE (Note 7)自体がかなり完成された端末のため、スマホコレクターでなければ当面買い換える必要性は薄い。
アシスタントAIにも対応しており、なにか新しい技術の導入がなければ、新たに購買意欲を高めることは難しいかもしれない。
 
逆に考えれば、ハイエンドパーツの調達が厳しい昨今、Note 8も当初は製造が追いつかない状況が予想されるため、FEがあることでユーザーの不満を抑えることになるだろう。