oregano note

シンプルで合理的な生活

実印を使用時のみ登録しすぐに廃止する方法は本当に有効なのか

電子化の時代とはいえ今でも印鑑文化は健在である。
古い時代の名残と指摘されつつも、それに変わる認証もなかなかない。
サインもまた偽造されやすく、生体認証はまだ日が浅い。寝ている間に指紋認証でスマホの....など、まだまだ穴も少なくない。

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個人の印鑑の中で実印と呼ばれるのは、住民票のある市町村で印鑑登録した印鑑である。

一般の会社員などではクルマの購入や相続、不動産売買など、人生の中で必要になることは数回程度だろうか。
印鑑登録をすると印鑑登録証というカードが発行され、このカードにより印鑑登録証明書、つまり印鑑証明の交付を受けることができる。

実印(が押された書類)と印鑑証明がセットになることで、非常に強い効力を発することになる。
この印鑑はたしかに本人のモノだとお役所が証明してくれる形である。

そこで実印を使用したらその都度印鑑登録の廃止手続きをするべきだという方法を推奨している人は多くいる。
つまり実印と印鑑証明が必要になったときに役所に行き印鑑登録をし、印鑑証明を発行したらすぐに抹消手続きをする。そしてまた必要になったときに登録する、という方法である。

印鑑登録をしたままではそれがセキュリティホールになるという考えだ。

では本当にこの方法は有効なのだろうか。

おそらく実印がらみの不正で多いのは、主か従かはともかく、同居している親兄弟などの親族が、関わっていることがほとんどだろう。

実印と印鑑証明を勝手に使用され、借金の保証人になっていたり、不動産の名義変更や相続関連に使われてしまったりということはよくある話だ。

ならば実印と印鑑登録証をしっかりと管理することでかなりの問題を防ぐことができるだろう。

次に考えられるのが、勝手に印鑑登録をしたり、別の印鑑に変更して利用されてしまうことだろう。
だが、本人以外の人間が印鑑登録をしたり変更する際は、申請当日はできず、郵送で印鑑登録照会書が送られてくるという形であり、同居している人間が勝手に行えるかどうかはその照会書を受け取れるか否かとなる。

そのため、たとえその度毎に印鑑登録を抹消しても、リスクは同じであり、手間の割にはあまり有効的だとは言えないと個人的に考えている。

なお、印鑑そのものの偽造という手段もあるが、難易度も発覚のリスクも高くなるため、ここでは除外する。

 

個々の事情により異なるとはいえ、基本的には実印登録をして実印と印鑑登録証を別々にしっかりと管理しておき、家族に不審なものがいるなら出かける際は必ずどちらかを持ち出す方がよいのではないか。
特に多額の資産があるなどの状況では、銀行の貸金庫の利用を考えることがもっともよいだろう。
勝手に持ち出されないことに加え、実印を銀行の貸金庫に預けている期間に本人以外の人間が印鑑登録を変更していれば、きわめて不自然な状況になる。
絶対的な証拠にはなりえないとはいえ、その都度印鑑登録を廃止しているより、よいはずだ。

それに加え、実印を押すときは、常に自分専用の朱肉と捺印マットを使用することや、実印の印鑑も、機械彫りのものは避けることで、少しは効果があるだろう。


とはいえこの問題は、裁判での印鑑の効力が高すぎることが根源にあるのだろう。
三文判でもそれなりの効力を持ってしまう以上、実印ともなれば法廷での影響力は多大なものとなる。
ある程度、複数の認証方法の組み合わせが必須なのではないかとおもわれるのだが、社会で認知されるにはなかなか難しそうだ。