oregano note

シンプルで合理的な生活

(悪い意味で)変貌する郵便局の行方

いつにも増して長い前置きになるのだが。

しばらく前のことだが、郵便局へ満期の定額貯金を受け取りに行った母が投資信託の申込みをして帰ってきた。
事後報告ながら「どうかな?」と聞かれたので、申し込んだ投信のパンフレットを見ると次の商品だった。

www.diam.co.jp

リスク抑制世界8資産バランスファンド
愛称:しあわせの一歩

大きく儲からないが、リスクも少なく、貯金よりもいいと勧められたのだそうだ。

パンフレットを見たが、やはりあまりよくない商品だ。

うたいもんくとしては、世界の8資産に分散して2%以内の変動を目標に安定運用を行うらしく、8資産は、いわゆる国内の株式、債券、リート、先進国の株式、債権、リート、そして新興国の株式と債券の各マザーファンドというおなじみのものだ。
ただ同じ8資産でも、均等ではなく月次で配分を決めるそうだ。

まだ設定日より1年も経っておらず、実質コストがいくらかも不明なのだが、郵便局の局員がすすめてくるということで、購入手数料が1.08%信託手数料も今となっては高めの年0.7452%となかなかコストの高い商品である。
さらに分配が年6回もあるという。

たしかにこのファンドは、郵便局を利用するお年寄りにセールスしやすいのだろう。

退職金や満額となった定期をどうしようかと考えているところへ、年に分配が6回もあるとか、世界に分散して投資するとか、2%程度の変動リスクでと聞くと、スズメの涙しか利子のつかない貯金よりいいんじゃないかと考えてしまうのも無理はない。
インターネットを常用し、投資信託に関心がある人ならば、ここ何年かで、この手の金融商品のコストや複利効果の有無が気になるだろうが、スマートフォンを使えども難しいことを考えたくないという人には、売る側にとってはうってつけの商品である。

他と比べてみると、同じタイプの8資産分散型では、 eMAXISバランス(8資産均等型)というのがあり、購入手数料がかからず、コストも安い。
分配金も出ていないようだ。

郵便局がいいという場合でも、扱っている投資信託のリストを見ると、上と同じくeMAXISから、国内債券のインデックスがあり、やはり購入手数料がかからず、コストも安く分配金もない。
老後資金でリスクを取りたくないのなら、こちらの方がいいと思うのだが、郵便局側として売りたい商品ではないのだろう。

(アベノミクス以降、国債市場のボラティリティも激しくなってきており、去年から今年にかけてもかなり変動があったので、今後も安定した投資信託とは言えないかもしれないが)

もっともどちらにしてもネットが使えるならばもっとコストの安いファンドも選びやすく、結局、今は人手を介すと損をする時代である。

 

うちの母親だが、最終的に、書類だけでまだ正式に申し込みは済んでいなかったこともあり、申込み自体を撤回することになった。
だが、そこで問題があった。
やはりというか、引き止めに合ったのだが、平然と「これまで皆さん、手数料は年間ウン百円くらいしか払ってませんよ」と数字をあげてきてきた。
専任の人だというので、わざとなのだろう。
そもそもまだ1年も経っていないファンドで、どうして年間の数字が出せるのかも不思議である。

幸い、私の方を信用してくれたので母は押し切ってくれたのだが、郵便局に不信の募る出来事だった。

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ここまでは証券会社や銀行でもよくある話。

ここ数年で、私の近くの郵便局では、投信に限らず、シーズンのはがき、保険、カードなどの勧誘が激しくなってきている。
ノルマがこなせなかった従業員が自腹で買い取りを迫られるような職場環境のブラック的な体質の話も多く聞こえるようになったのと同じ頃からだろうか。
郵政3社ともなにか機会があれば、局内だけでなく、電話なり訪問なりで様々な商品の勧誘をひっきりなしで受けるようになった。

近頃は、窓口に行くだけで入れ代わり立ち代わり何度もカードの勧誘されるので、すっかり辟易としてよほど差し迫らない限り、なるべく行かないようにしてしまったほどだ。

局内に様々な外部のセールスが出ていることも増えた。
ときにはセールスのためにソファーが片付けられ、高齢者が何人も立ったまま手続きの順番を待っていたこともある。

ネットでも、同じように電話や窓口でのしつこい勧誘に悩まされている話が出てくるので、この局だけのことではないようだ。

 

それとともに、局員のミスに頻繁に遭遇するようにもなった。
なぜか切り替えたばかりの通帳がさらに切り替えられてしまったり、手続きの内容が全く異なったりと、これまでなら考えられないようなミスに遭遇している。
謝罪ひとつ無いので、かなり不快なのだが、耳にする郵便局員のニュースから、おそらく局員もいっぱいいっぱいなのだろうと容易に想像できるため、怒るに怒れない状態だ。

郵政民営化の影響なのだろうが、それにしても他の金融機関と比べてもかなりお粗末で、なにかと職場の風通しが悪くもなっているのだろうか。
気がつけば私が若い頃にお世話になった人たちが、ここ3年の間に誰もいなくなっていた。

 

郵便局は年金の受け取りということもあってか高齢者の利用が多く、自宅に訪問して手続きをしてくれたりという、今でも昔のままの親切な郵便局員をイメージがあるのだろう。
ただ当時でも着服などの問題は稀に起こっていたこともあり、今のままだと大きなトラブルが起こるのではないだろうか。

民営化以来、民間企業の悪いところばかり取り入れているようにみえるのだが、例の大損失を出したトップが今年変わったことで、少しは変わらないかと願うばかりだ。