oregano note

シンプルで合理的な生活

Google の Pixel 2 / Pixel 2 XL が日本で発売されない理由

昨日GoogleのスマートフォンPIXELシリーズの新機種 Pixel 2 と Pixel 2 XL が発表された。
現行モデルが日本で発売されなかったこともあり、ハイエンドのSIMフリースマホを狙うユーザーの間では今回のモデルへの期待は高かったが、今回もまた発売国に日本は入ってはいなかった。

昨日発表されたのは1次発売国と言われるものであり、今後、日本が追加される可能性はある。
現にNexus 4のときは1年近く経ってから発売された。

しかし仮に今後日本が発売国に追加されるとしても、数ヶ月はかかるだろう。
Pixelシリーズはフラッグシップモデルと呼ばれる各メーカーの最高クラスのスマートフォンの中では、比較的遅めに発表されるため、数ヶ月経つ頃には翌年の新しいSoCを採用した各メーカーの情報が出はじめることになる。

そうなると旬が過ぎてしまい、このクラスのスマートフォンを狙うユーザーにはイメージ的に鮮度が落ちてしまう。

pixel-2-y-pixel-2-xl

Googleにとっての各国市場の優先度

今回も日本で発売が予定されていない件について、理由はいくつか想像できる。

やはりグローバル市場で日本の価値が下がっていることは無視できない要因だろう。
Appleのように日本が重要な市場となっている、あるいはHuaweiのように以前から日本企業との取引が盛んだったり研究拠点があるようなメーカーならば、率先して日本市場に投入するメリットは高い。

とはいうもののGoogleがそこまで日本市場を軽視しているわけでもない。
10年も前にわざわざNHKの取材班を社内に入れたこともあるし、当時よりは落ちたとはいえ未だ日本市場にもそれなりのポテンシャルは健在だ。
小さいメーカーならいざしらず、Googleレベルの会社ならばこれまでのNexusなどの実績を考えても、日本市場でじゅうぶんペイできるはずだ。

実際、Googleの日本語への対応はそこまで悪いわけではない。
遅まきながらGoogle Homeも発売される。

ただハードの分野ではGoogleには今のところそこまでの重要度は日本にはないようだ。

需要に供給が追いつかず品薄が続く

おそらくそこまで他国展開できないのは、スマートフォンの製造が追いつかないからではないからと考えるのが妥当だろう。

初代Pixelがどのくらい売れたのかというのはよくわからない。今年3月までで、Google PlayでのPixel Launcherのインストール数から100万台程度という説から、台湾のメディアの報道で210万台という説まである。

だが需要に供給が追いつかないという情報は、昨年の年末商戦の頃からよく流れていた。
初代Pixelの製造はHTCが請け負っていたが、HTCはそこまでの部品の調達能力が高くはないという評判だ。
実際、個人的にも購入してみようと海外サイトをときおりチェックしていたのだが、それほど熱心に見ていたわけではないこともあり、たまに覗くときはストレージの容量の大きなモデルは常にSOLD OUTとなっていた。
PIXELは外部のSDカードが使用できない上に、このクラスのスマートフォンを狙うユーザー層は、少しでも高いスペックにこだわる人が多く、メモリやストレージ容量の大きなモデルが人気なのだが、在庫がないのだ。

昨年から世界的にスマートフォンの部品、特にメモリやストレージ、有機ELといったパーツは品薄が続いており、価格も高止まりしている。
スマートフォンに限らずPCの世界でも、メモリやSSDといったパーツの価格が高騰したままだ。
日本では円安の影響もあるが、グローバルで起きている現象でもある。

初代PixelはHTCが製造を請け負っているが、部品の調達に苦労していたという。
次期モデルはPixel 2がHTC、Pixel 2 XL がLGと分かれているとのことだが、それでもやはり厳しいのではないか。

モバイル端末の販売台数の伸び自体は鈍化傾向にあるが、それでも世界的な需要は増加の一途を辿っている。

それに加え、半導体製造が3次元構造、つまり3D NANDへと切り替えを進めている時期にあたり、製造ラインが不足している。
昨年Huaweiがフラッグシップクラスに1世代前のメモリを採用してユーザーから不満の声が上がったことがあったが、これも品薄の影響が強いのだろう。

品薄解消時期は不透明

ファブレスが当たり前のモバイル製造事業では、今はどのメーカーも部品の調達に苦心しているようだ。
安定して調達できるのはほぼすべての部品が自前で製造が可能なSamsungくらいだが、そんな自社の製品に優先的にラインを回せるSamsungですら、同社のGalaxyシリーズは値上げを避けられないでいる。

こうした部品の不足がハイエンドのスマートフォンの価格を押し上げるとともに、供給が追いつかなくなっている原因となっている。

この傾向が果たしていつまで続くのかはわからない。
メモリ価格は当初の予想をはるかに超えた期間で高止まりが続いたままだ。
有機ELも先日JDIが量産に向けたニュースが出ていたが、2019年半以降ということで、日進月歩のこの業界ではまだかなり先の話である。
ディスプレイには液晶もあるとはいえ、ハイエンドのスマートフォンへの有機EL採用の流れは止まらず、先行きは不透明のままだ。

各メーカーが重視している市場から優先的に投入されるのは自明である。
Pixel 2 / Pixel 2 XL の日本での発売がいつになるか、それともこのモデルもされないままで終わるのかは予想がつかない状態だろう。