oregano note

シンプルで合理的な生活

ビットコインなどの仮想通貨が現金の代わりになるための2つの壁

しばらく前から、店舗でのキャッシュレス化、というか、現金払いを止めていこうという言論が少なからず存在する。
これには反対する論も多いのだが、手間のかかる現金払いをやめて、クレジットカードや電子マネーといった支払手段を中心にすべきであるという志向である。
なかには現金払いに対し、攻撃的な論を展開する者もいる。
すでに現金(紙幣や硬貨)は時代遅れで需要は廃れていく運命であるという。

その根拠のひとつとして、ビットコインに代表される仮想通貨の普及があげられることがある。

*1

Bitcoin

不安定な価格と送金速度が普及の妨げに

たしかに仮想通貨は少しづつではあるが、普及はしている。
先日もモナコインの投げ銭について書いたが、日本でもまだ首都圏が中心とはいえビットコインやモナコインで支払いができる店舗というのは増えている。

しかしこれらの仮想通貨は今現在は現金の代わりに使用されるには、まだハードルが高すぎるのが現状だ。

ビットコインに焦点を絞って書いていくが、他のアルトコインでも同じ欠点があったり、こうした欠点を解消すべく開発されたコインもある。

現時点で、通貨として一般的に普及するにあたり大きなネックとなっているのは次の2点だろう。

  • 価格の安定
  • 送金速度

元々、ビットコインは相手のウォレットに即時反映されるわけではなく、取引量が増えるにつれ、ビットコインの短所である送金速度に大幅な遅延が生じている。

送金時間を短縮するための試み

ここで疑問におもわれる方は多いかもしれない。
ビットコインを実際の店舗で使用するブログ記事などを読むと、多くの有名な店舗、たとえばビックカメラでは、支払手続きをしてすぐに決済が完了している。
以前に、ビックカメラでビットコインで支払った際にトラブルにあったという情報がまとめサイトに掲載されたが、実際は悪質なデマであった。

これは0承認トランザクションという方法を用いているためである。

大抵、ネットワーク上でウォレットからウォレットへと送金する場合、ブロックチェーンへの書き込みが1回承認されてた時点で送金が完了するが、その時間は10分間になる。
そこで本来行われる承認作業を省き、即座に相手の口座に反映するサービスが提供されている。

とはいえ、0承認には当然リスクが付きまとう。
国内ではビットコインの決済システムを提供しているbitFlyerやcoincheckといった会社がそのリスクを負担している(とおもわれる)。
そしてそのリスクが故に、手数料も高くなり、ビットコインのメリットが減少するという問題もはらんでいる。

ただ送金速度にまつわる問題はいずれ解決されそうだ。
現在話題のライトニングネットワークのように、実現されれば解決へのひとつの大きな手がかりになるはずである。

不安定な価格は解消されるのか

問題は価格の安定だ。
今はまだビットコインは決済手段として使用されるよりも、投機の対象として購入される量が圧倒的である。
そのため1日に大幅に価値が変更することもめずらしくない。
つい先日の乱高下は記憶に新しいところだろう。

他のアルトコインにしても、メジャーになるにつれ同じ悩みを抱えることになる。

数日で価値が何パーセントも上下する通貨を決済手段として常用するにはやはり難しい。
価値が上昇してくだけならいいが、多くの投資家がバブルを指摘する上に、適正価格がまったくわからないために、いつこの相場が崩壊するかもわからないからだ。

基本的に通貨は発行する政府によって管理されているが、仮想通貨の多くには管理者はいない。
そもそもこの界隈は権力者に管理されることを嫌う風土がある。
このことが仮想通貨の可能性でもあり、弱いところでもある。
過渡期として価格の乱高下はしかたのないところかもしれない。

ビットコインが普及するにつれ、こうした投機的な動きは減っていくのではないかとおもわれるのだが、普及すればするほど投機の対象にもなりうるわけで、なんとも悩ましい状態だ。

The money is better on the top layers...

決済手段として普及するには時間が必要

今後、仮想通貨が現金のように使われるようになる段階として、しばらくはゆっくりと普及し、何かのきっかけで急激に使われるようになるのではないかと予想している。

だがその過程で、予想もしていなかった不具合が発生したり、セキュリティー上の問題が発覚するかもしれない。
あるいは、市場状況によって価格が暴落するという状況も予想される。

そうした事態に遭遇した際に、仮想通貨に対して社会的に強い批判の目が向けられることは避けられないだろう。
気運が後退してしまうことも考えられる。

とはいうものの、こうした事態が今日明日すぐ起こる可能性は少ないはずだ。
今後、仮想通貨が決済手段として一般化するには、まだしばらくはかかるだろう。
むしろゆっくりと社会に浸透していく方が受け入れられやすいのではないだろうか。

 

*1:※暗号通貨という方が実態に即しているものの、日本での浸透具合からしばらく仮想通貨で通す予定です。