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シンプルで合理的な生活

若者のクルマ離れと言われる時代に暁生カーのイメージは通用するのだろうか

唐突だが暁生カーというのをご存知だろうか。

90年代の後半につくられた、アニメ「少女革命ウテナ」で、その登場人物で理事長である鳳暁生が所有する赤いスポーツカーを称した言葉である。
このクルマは子供には手に入らない恵まれた大人のためのもの、強い大人の男を象徴するモノと言われており、彼はこのボンネットの上でポーズを決めるなど、随所でシンボリックに描かれている。

ここであれこれ書かなくても、さまざまなところで解説されているし、最近はネットで一挙放送もしていたこともあって本編を見ている人も多いだろう。


そんなことを思い出したのは、さる芸能人がクルマに興味を持たない男性について考えを述べていたからだ。
内容自体は品が無いなので触れないが、すでに多くの若い男性にとってクルマは憧れの対象では成り得なくなっていることを、如実に表しているような印象だった。

若い世代の収入の問題もあるのだろうが、戦後のメディアの宣伝による大衆消費文化が通用しなくなってきている面も無視できない。
最近の若者は賢いので、移動手段として便利とはいえ、購入と維持費が高額な自動車に対し、無条件では飛びつくことはないだろう。

もちろん趣味的な側面も強いので、クルマを趣味とする人ならばかなりの資金をつぎ込むこともものともしない人も多い。
だが無ければ無いで、割に合わないと考えればローンを組んででも無理をして手に入れようとする人は少なくなってしまった。

だとすると、今の10代の人が作品を見て、暁生カーの象徴するところがわかりにくいというか、実感できるのだろうか。Rose

 


では、2017年の今、クルマに代わる男性のステータスシンボルとなるアイテムといえばなんだろうかというと、なかなか思い浮かばない。

オートバイ、スポーツ自転車、スーツ、財布などもなんだか合わない。
逆にもっとずっと高額なマイホームですら、今や単純な憧れではなく、賃貸と持ち家どちらがいいかで論争になるくらいだ。

ひとつ思い浮かぶのは機械式腕時計だろうか。
定番のロレックスなどに加え、数年前から新興メーカーが芸能人やスポーツ選手を広告塔にするなど、高級機械式腕時計は売れている。
成功者、強い男性のイメージはあるのではないだろうか。

とはいえ時計もまた昔のクルマと比べるとコレクターというか趣味人以外にはあまり刺さらない。
成功者というよりは成金的というか、場合によってはあまり社会的によくないイメージもあるようだ。
若い世代の間ではお金があってもスマホの普及で腕時計をしない人もいるし、カシオのオシアナスが人気だったり、スマートウォッチなどの機能的な時計に流れる人も多い。

こうしてみると、なかなかよいアイテムは浮かばない。
多くの男性が所有し欲しがり、なおかつシンボリックな存在となると、やはり今は分散化してそういうものはありえないのだろう。

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ここまで書いて、最後にアマゾンのリンクを貼ろうとして、20週年ということに気がつく。印象深かったのと、今でもときおりネットで語る人がいることもあり、意識していなかったのだが、そんなにも昔の作品だったのだ。

そういえば劇場版にはウテナカーとして、束縛から逃れる自由として描かれてもいたのだなと、年月を経たさまざまな変化を考えさせられてしまうのだ。