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2018年の電子書籍リーダーの理想と現実

先日、モノクロ電子ペーパーを使用したAndroidタブレットONYXのBOOX Noteの日本発売が発表された。
10.3インチの大型ディスプレイにWacom準拠の高度な筆圧検知と傾き検知機能を持つスタイラスペンも付属する。

k-tai.watch.impress.co.jp


電子ペーパー端末ではマニアに知名度のあるONYXの製品ということで、電子書籍リーダーとしての利用から興味を惹かれた人も多かったようだが、タイトル以上には関心は持たれなかったようだ。
やはり価格の高さが最大のネックだろう。
7万円弱というのはKindleなどの電子ペーパーを使用した専用デバイスや、iPadのような高機能な汎用のタブレットと比べてかなり割高である。


では2018年現在、電子書籍リーダーとして現実的にはどういったデバイスが有用だろうか。

iPadという声もあるのだが、ヘビーユーザーには難しい面もある
たしかにiPadはタブレットとしてはきわめて優秀だ。
10インチ前後で美しいディスプレイを持ち、スペックも現行のスマートフォンやタブレットのなかでもトップクラスのモバイル端末である。
図鑑やファッション誌のように、大画面カラーが必須かつ短時間の読書の際には、iPadの能力は遺憾なく発揮される。
むしろ電子書籍リーダーとしてはオーバースペックとも言える。

iPadの高性能は400g台半ばを超える重量や、バッテリーの持ち時間とのトレードオフだ。
一般書や小説のように文字の多い本や漫画をシリーズで長時間読むには、手も目も疲れてしまう。

人によって違いはあるだろうが、必須と考えられるのは、

  • 長時間の連続使用
  • 軽量
  • 目が疲れにくいディスプレイ

あまり求められないのは、

  • 処理速度
  • メディア再生

現在、現実的に可能であろうスペックを考えてみると、画面サイズは8インチの白黒の電子ペーパーで200g台の重量。
特定の販売プラットフォームに依存しないことも望ましい。
逆にあとは機能的にはバッサリと切ってしまっても構わない。


とはいうものの、この条件を満たす端末がほとんどない。
条件以前に電子ペーパーを使用したデバイスがほとんど見当たらないのだ。
AmazonのKindle、楽天のKoboのような専用デバイス以外には、先程のONYXのような海外のマイナーブランドがほとんどだ。
ONYXにしても6インチの小型端末か、あるいは最近では10インチ以上の大型化かつ高性能化が進んでおり、単なる電子書籍リーダーとして使うにはかなり高価なものになっている。

電子ペーパーは大型、カラー、フレキシブルと進化しているが、主にデジタルサイネージをはじめとする用途が中心である。
また一旦表示してしまえば電力がいらず、書き換えも可能な特性を活かし、工事現場や店舗などで、本以外のペーパーレス化に寄与しており、ビジネス分野での使用が進んでいる。
電子書籍からは撤退したSonyにしても、ビジネスでの使用を前提としたデジタルペーパーを発売しており、いわゆる紙のノートの代わりとして用いられることが前提だ。


そうなると汎用は諦めて、AmazonやKoboのような特定の販売プラットフォームが販売しているデバイスを選ぶのが無難かもしれない。
もっとも近いのは、昨年登場した7インチのKindle Oasisだろうか。
画面サイズは1インチ小さいのと価格が微妙に高額だが、条件としてはほぼ満たしている。

Kindle Oasis、電子書籍リーダー、Wi-Fi、32GB

ただAmazonにしても、Kindle電子ペーパー版のカラー化は何年も前から言われているが、未だに登場していないことを考えると、電子ペーパーを利用した電子書籍リーダーはあまり期待できない分野なのかもしれない。
新規参入も少ないために、いずれタブレットに飲み込まれていくのかも知れないが、目への負担を考えると、なんとか踏みとどまってほしいところである。